[1]事の発端〜病院めぐり
病院探し ---- 病院を転々と


5月6〜8日

とりあえず会社の近くにある三菱診療所に行ってみた。とは言え、どの科を受信していいのか分からない。皮膚科? 整形外科? 外科が良かったんだけど、三菱診療所では外科が無いからしょうがない。

まだ「肛門科」と言う言葉は頭の片隅にもない。

最初に受診を勧められたのは皮膚科。ここで生まれて初めての直腸触診を受ける。ズボンとパンツを下ろして診察台の上に横向きになってくの字になる。で、先生の指がずぼっと。ちょっと痛いんだよね、これが。先生の指が入っているのが痛い以外は全く痛いところは無し。皮膚科の先生は「皮膚ではなさそうですねぇ。皮膚の下の層に膿がたまる病気(病名失念)か、腸から感染して化膿する『肛門周囲膿瘍』か、どちらかですねぇ」とのこと。内科で調べて見るのがよろしいと言うことで、翌日内科を受診することにして、この日は抗生物質を貰って帰った。

この段階でも肛門科に行くと言う考えは起こっていないし、「痔」と言う文字も浮かんできていない。

内科の先生は結構優秀な先生で、入るなりすぐさま直腸触診。この先生の触診は痛い。先生によって上手い下手はあるねぇ。特にこの触診は。で、この先生はすぐさま、『痔ろう』ですね。と、一言。三菱診療所では外科が無いから、外科のある病院を紹介していただくことに。

初めて「痔」と言う言葉に直面するも、それを否定しようとする心理が働いてか、あまりそれについて真剣に考えようと言う気は起きていない。

で、紹介された病院は三井記念病院。インターネットで検索してもとっても評判のいい病院で、最寄り駅が秋葉原であることに最も惹かれた。周りの人間の噂を聞いても、とっても信頼できる病院である事は確からしい。診て頂いたのは見るからに新米先生。ただ、とっても優秀であろう事は雰囲気から分かる。触診のテクニックもなかなか。すぐさま『肛門周囲膿瘍』であると告げられた。この若い先生は、この病院の肛門関係のプロである堀先生にオピニオンを求め、その先生にも診ていただいた。一言『痔ろう』ですね。

が〜〜〜〜〜ん やっぱし、ってな感じ

若い先生に説明して頂いたのだけど、肛門周囲膿瘍とは感染症であり下痢気味の人がなりやすい病気で、一般的に痔ろうと言う痔の一種に発展する。肛門の出口近くに腺があり、そこに下痢などの水分に混じって菌が入り、化膿し、奥へ奥へと進行する(気分的には「侵攻」と言う文字を使いたくなる)。肛門の周りには肛門括約筋と言う筋肉があって、そこを貫いて肉の部分になると菌は繁殖を始めるらしい。周りの細胞を侵食し、膿として溜まって腫れてくる。この状態を肛門周囲膿瘍と言う。ここからさらに化膿が進むとお尻の皮膚を突き破り、膿が外に出て行く。そうすると腫れは治まるが、直腸からお尻へとつながる(通常は)1本のトンネルができる。この状態を痔ろうと言う。

このトンネルのことを瘻管と言う。なぜ自然に治らないのか。。。どうも細菌は自分を守るために正常な細胞との間に粘膜で壁を作り、正常な細胞(ってゆーか白血球)が細菌を殺して穴を塞ごうとする行為を妨げるらしい。この瘻管、触っても分かるくらい硬いらしい。

で、現状では肛門周囲膿瘍なんだけど、ほぼ100%痔ろうになり、痔ろうは手術でないと治らないらしい。そう、手術!!

しゅ、しゅ、しゅ、しゅ、手術〜〜〜〜! ががががが〜〜〜〜〜〜〜ん と言った感じだった。まさに青天の霹靂。思わず、「しゅ、手術ですか???」と聞き返したほど。

このときの手術法の説明がいまいちだった。確かに肛門周囲膿瘍、痔ろうの状態によって手術は変わってくるけど、「場合によってはバッサリ切ります」って言っていた。今ではほとんど温存法なのに。この説明が結果的に不安を駆り立てることになったのかも。

とは言え、現状では典型的な肛門周囲膿瘍の症状(お尻の腫れ、熱、痛み)がそれほど強く現れてなく、しばらく抗生物質で頑張ってみて、様子を見ましょう、ということになった。

抗生物質で治まって、「治った」と思っても、肛門周囲膿瘍そのものが治るわけではない。ただ、症状として進展していない、と言うだけ。完全に「治す」には手術が絶対不可欠。いつまた症状が進展するか分からないし、再発する可能性は極めて高いらしい。

三井記念病院で宣告された『痔ろう』と『手術』がかなり効いており、それから猛勉強を始めた。こういうときにインターネットとGoogleは役に立つ。多くの痔サイトを巡り、病院や治療法、闘病日記などを読み漁った。

結論として、痔は肛門科が専門の病院に行くのが一番で、経験のある医者を探すのが大切だ、と言うことになった。特に痔ろうはどのように感染するかによって人それぞれ対処が違ってくる場合もあり、他の痔を併発していたり、私の場合みたいに典型的な例から外れるのも少なく無いらしい。「痔ろう治療に方程式はない」なんて言葉をよく聞く。だからこそ経験豊かな先生に診てもらう必要があるわけだ。

そうなったら、急に三井記念病院が心細くなった。。。 確かにいい病院なんだけど、肛門科として独立した科はなく、痔の治療としての評判もあまり聞かない。

でもって、会社の上司に病気のことを相談したときに紹介していただいたのが前田病院なのである。前田病院については残念ながらあまり多くの情報はインターネットにない(逸見氏、立川氏関連は腐るほどあるけど)。ただ、痔の治療に関しては日本屈指の病院である、との評判が高いことだけは調べることができた。上司の紹介もあるし、セカンドオピニオンを求めると言う意義もあるし、とりあえず前田病院にも行ってみることにした。