[4]2回目の入院
2日目 ---- 第一関門


7月30日、試練の2日目。

前回同様、今回もお腹を空っぽにする必要がある。これが辛いのよね。今回は大腸内視鏡検査が手術の前にあるからちょっと緊張する。運がよければ大腸内視鏡検査のすぐ後に手術が行われる予定だ。大腸内視鏡検査でぐっすり寝ているうちに手術も終わってしまうと非常にラッキーなのだが。。。

昨日の晩はよく眠れなかった上に、今朝は6時にたたき起こされて辛い、辛い。その上、例の下剤2リットルがサイドテーブルの上に鎮座している。さあ、決戦だ!!

ルールは前回どおり。6時〜7時に1リットルを、7時〜8時までに残りの1リットルを飲む。今回の作戦は、なるべく6時〜7時までの1リットルを限界に近いペースでこなして、早めにOKを貰うこと。そのためにDAKARA 500mlを用意してある。あの下剤は後味が最悪だから、下剤を飲んだらすぐにDAKARAで中和する。これで気持ち悪くなる前に1リットルを制覇すればなんとか活路は見出せるはずだ。とにかく、前回のように苦しんで4時間かかって2リットル飲むことにならないようにするのだ〜〜!!

まず、昨日貰ったシールをコップに張ってみる。森林浴の香りがマイクロカプセルの中に封じ込まれているそうな。ちょっと擦ってみると、確かに香りがする。しかも、かなり強烈だ。まあ、これくらい強烈な匂いでないとあの下剤には太刀打ちできないからね。

さ、最初の一口、ゴクリ。。。 まずい!! けど、すかさずDAKARA攻撃を食らわせたら、後味はそんなに悪くなかった。これはいけるかもしれない。続けて2口、3口。その都度DAKARA攻撃。今回はなかなかペースが速い。最初の30分で1/4はクリアしている。これはいい調子だ。でも、どうも匂いシールは効いて無いような気がする。

ようやく1リットルクリアした段階で7時。これは計画通りのペースだ。と、ここで最初の便意。まさにピッタリのタイミング。昨日からろくすっぽ食べていないだけあって、大したものはでない。で、自分の病室に戻って気がついたのは強烈な森林浴の匂い。これは猛烈に迷惑かもしれない。他のルームメイト(?)に申し訳ない m(_ _)m

1リットルを越えたあたりでちょっと辛くなってきた。ニフレックが口の中に入ってくるだけで吐き気を催してくる。ちょっと危険だけど力んでゲップを出してみる。ちょっと楽になったらニフレック+DAKARA攻撃をこまめに続ける。それでもペースは著しく落ちている。7時半になっても1リットルを少し過ぎたあたりで止まっている。でも、便意はそれから2回あって、だんだん固形物はなくなってきている。あとは色が薄くなるだけだ。

でも、気持ち悪さはピークに達していて、もう進まない。看護婦さんに「気持ち悪くなったら少し休んでいいから」と優しい言葉を掛けられたことを思い出し、少しの間DAKARAのみちょびちょびと飲んでみる。さすがにお腹の中はたっぽんたっぽん。

7時40分くらいになってラストスパートに掛けてみる。とりあえず後1,2回の便意でクリアできそうだから、1.5リットルをクリアすることにする。DAKARA休憩が功を奏したのか、ちょっと元気が出てきて、ちょびちょびとニフレック+DAKARA攻撃を再開する。8時前くらいに便意があり、もうだいぶ色が薄くなってきた。あともう一息。

目標の1.5リットルに近づいてきたあたりでもう一回便意が訪れてきた!! ワクワクドキドキしながら便器の中を覗き込んでみると。。。 かな〜り薄い!! これまたワクワクドキドキしながらナースコールしてみる。このとき誰が来るかで判定基準が変わってくるんだけど、あまり見慣れない看護婦さんが来てくれた。ちょっと不安になりながら「どうでしょう。。。」と聞いて見たら、「全然(固形物が)無いですね。いいですよ」と一発OK。思わず(心の中で)ガッツポーズ!!

さて、後は大腸内視鏡検査のお声がかかるまではひと安心。と、思いきや、9時前には座薬を入れられて、最後のひと絞り。もともと便意があったから、薬が入ってまもなくトイレに直行してしまった。薬が融け切っていなかったせいか、ちょっとお尻がヒリヒリする。

そしてシャワー。術後は当分シャワーを浴びる事はできないから、十分に味わっておく。と言っても、20分交代だからさっさと済ませないといけないんだけど。

まだ後もう一仕事ある。点滴である。ふつーの点滴ならどうってことないんだけど、この点滴はこれから4日間ず〜〜っとつけていないといけないから、ちゃんと点滴針が腕に入って欲しい。前回は失敗したから、今度は、なんとか。。。 いや、私の左腕は献血に行っても失敗するくらい難関らしいんだけど、この点滴は4日間つけるから、利き腕ではないほうに打つらしい。という事は必然的に左腕に。で、結局2回失敗して、人が変わって3回目にようやく入った。今度はちゃんと入ったと思う。まあ、点滴の失敗の痛みはこれまでの痛みに比べれば大したこと無い(とは言え、痛くないほうが当然良いんだけど。。。)。

結局大腸内視鏡検査は午後になってしまい、1時15分にナースセンター前集合になった。もちろん、すっぽんぽんで下半身にバスタオルを巻いて、病衣を着る、前回と同じパターン。今回はストレッチャーではなく、検査室までは自分の足で歩いていった。まあ、手術じゃないからストレッチャーでは行かないだろうけど、(病衣をまとっているとは言え)下半身すっぽんぽんで人の前を歩くのはちょっと恥ずかしい。

検査室は割と広めの部屋にベッドがポツンとあった。その他には目立った機械や診察用の器具はない。後から搬入されてくるんだろう。ベッドは無味乾燥な、単なるベッド。ただ、ベッドサイドには3本の注射器が置いてあったのが気になる。中くらいのが2本と、かなり太いのが1本。う〜〜ん。あまり長い時間眺めているとめまいがしてきそう。

いくつかの検査室が連なっているようで、奥の通路でつながっているみたい。隣の検査の状況が聞こえてくる。奥の通路は絶えず人が行き来している。隣はどうやら検査が始まったようだ。声が聞こえてくる。それとともに、ゴーーーーと言う音も聞こえてくる。「○×さ〜ん、大丈夫ですか〜〜」などとも聞こえてくる。大丈夫かなぁ〜〜〜

15分くらいたっただろうか、今度はこちらのほうに人が集まってきた。ああああ、いよいよだぁ〜、と思ったら、看護婦さんが横に来て、横向きになって欲しいと言われたので、仰せのとおり横向きに。先ほどより気になっていたベッドサイドに置いてあった3本の注射器に手をやったと思ったら、次々と点滴のためのチューブに注入していくではありませんか。ああ、良かった。あれが腕に注射されていたらどうなったことやら。なんて思っていたら続いて、「喉がヒリヒリしてくるかもしれませんよ」と言われるが先か、確かに喉がヒリヒリしてきた。「寝ちゃってもいいですからね〜」と言われたのが最後、ここから全く意識がなくなる。。。。

目が覚めたらまだ検査室のベッドの上だった。お尻のあたりの感覚には全く検査をしたような痕跡がない。「もう検査は終わりましたよ〜」と声を掛けられたけど、「え! 本当ですか?」と思わず聞き返してしまった。感覚的にはほんの一瞬で全くの無痛で終わってしまった。検査を行った後の「ヒリ」すら感じない。全くもって不思議だ。中には猛烈に不快な思いをして受けている人もいると思うと、検査を行う病院は選んだほうがいいね。

さて、その後の記憶は断片的にしか残っていない。検査室でその後どうなったかは覚えていないけど、「このあと手術しますね」と言われた様な気がする。その後はストレッチャーで運ばれて行き、途中で妻の顔を見た気がする。手術室の天井が目に入り、ああ、手術室だ〜、と思ったところでまた記憶が途切れる。。。

気がついたら病室で寝ていた。自分がどういう麻酔を掛けられたのか、どの程度の時間手術していたかなど、全く分からない。どうやら話に聞くところによると、腰椎麻酔で、今回は1時間10分も掛かったそうな。痔ろうの手術としては長いほうだなぁ。という事は、難手術であったってことで、たくさん切ったんだろうなぁ。。。 という事は。。。 い・た・い!! ひぇ〜〜〜

今回の手術を復習してみると、前回の痔ろう化手術で開けた穴からさらに細菌の感染ルートをたどって肛門までトンネルを掘り進む、と言うものである。今回で細菌に犯された組織はすべて取り除くのである。それでおしまい。そう、今回も傷口はそのままにしておくのである。開放法と言う手術の方法で、お尻はそもそも強力な免疫体系があるから傷口が開いていても大丈夫らしい。そして気長に組織が再生するのを待つのみ。。。 ちなみに、術後は硬膜外ブロックと呼ばれる麻酔を腰に刺すので痛みはない、はずである。少量の麻酔を腰に絶えず投与するので、3日間は痛みとは無縁の世界に浸れるはずである。

さて、手術を終えて病室に戻っても意識は朦朧としていて、妻と話をしたような気がするけど、はっきりとは覚えていない。妻に「バイバイ」ってサヨナラを言ったかな。遠くまで来てもらって、この程度しか覚えていないんじゃ悪いことしたよね m(_ _)m

その後は言うまでもなく寝てしまったのだけど、ちょくちょく起きたような気がする。なんせ、頭痛が酷いのと、吐き気が凄まじい。口をゆすいでもらったらちょっとは良くなってようやく寝た。と、思ったら12時くらいに目が覚めた。別に痛みは無かったから良かったけど、手術の日は動いてはいけないから、とても辛い。同じ姿勢をとっているから背中は痛くなるし、おしっこに行きたくなるし。

硬膜外ブロックをしていると、尿が出るか出ないかが大問題なのである。麻酔が効きすぎて、排尿メカニズムまで麻痺してしまうことがあるらしい。不幸にも排尿できなくなると、尿は膀胱が一杯になるまでたまってしまう。そうなると、膀胱はパンパンになって破裂しそうになるので、その場合は導尿をするわけだけど、これがまた痛いらしい。なんせ、あそこに管を通して強制的に尿を出すって言うんだから、まさにSMまがいの行為。これだけは避けなくてはいけない(って言っても、本人にはどーにもこーにも出来ないんだけど)。導尿するときに、あそこに管を通すときに粗雑に扱われて出血しちゃった人がいるほどなんだからね。しかも相当痛いらしい。前回の入院のときのルームメイトが2回も導尿したらしくって、1回目で安心して管を抜いてしまうよりも、念のため、2回くらい管を入れたままにしておいて貰ったほうが良いとのこと。

で早速夜中に尿意があったから、だめもとで看護婦さんを呼んで、尿瓶を持ってきてもらった。尿瓶は足の間に入れて、仰向けのまま用を足すんだけど、寝たままおしっこをするって、不思議な気分だねぇ。あれ?大丈夫?なんて思ってしまう。そうそう、ちょっとじっとしていたら、ちょろちょろと出た! 尿が。やったね!! SMプレイ、じゃなかった、導尿はどうやら免れたみたいだ。最初はやはり感覚が違うから出ないんだけど、力を抜くと自然と尿が湧いてくる、ってな感じ。

これで安心したのか、2日目はこれでぐっすり眠ったのだった。